2012年01月29日

映画「イエロー・ケーキ」

映画『イエロー・ケーキ 〜クリーンなエネルギーという嘘〜』
を観て来ました(渋谷松濤「アップリンク」)。

「イエロー・ケーキ」とは、
天然ウラン鉱石を精錬してできる黄色の粉末(核分裂するウラン235)のことです。

以前このブログで、原発に使用するウラン235を取り出す段階で、
大規模な放射能汚染が起こっていることを書きました
2011年8月11日「原発」)。

『イエロー・ケーキ』は、
原発のいわば「川上」であるウラン鉱石採掘・精錬に焦点をあてた映画です。
(数ある原発関連の映画の中で、おそらく初めて)

原子力はウランを燃料とすることは多くの人が知るところですが、
天然ウランがそのまま燃料として使える訳でないことは、あまり知られていません。

天然ウランは地中奥にあり、
しかも、天然ウランのうち原発に使用できる(核分裂する)ウラン235は、
0.7%しかありません。

よって、ウラン235精製のために
「剥土」:採掘の際に剥ぎ取った表面や周辺の土)
「鉱滓」(こうし):鉱石からウランを取り出し精製する過程ででるカス
といった「核のゴミ」がこの段階で既に多量に出、
何れもウラン濃度の高いものが含まれています。

実際にどれだけのウラン残土(「剥土」、「鉱滓」)が出るかというと、
標準的な原子炉1基が1年間に消費するウラン「1トン」を生産するのに、
「250万」トン出ます。

世界で稼働中の原子炉は431基(ただし、日本は現在54基中3基)ですから、
1年に出る量だけでも、想像できない程の量です。
地球に対して、トンデモナイことをしています。

最大の被曝源は、
原発そのものでも、再処理工場でも、高レベル放射性廃物でもなく、
ウラン鉱山の残土だと言えます。

日本はウランを輸入に頼っていますから、
それだけでもう、世界に放射能汚染をもたらしていることになります。

では、日本のウラン輸入先は何処かというと、
オーストラリア(約3分の1)、カナダ、ナミビアで75%です(2007年)。

ちなみに国別のウラン輸出量(2008年)は、
カナダ、カザフスタン、オーストラリアがビッグ3、次いでナミビアです。
映画でも、ナミビア、オーストラリア、カナダの鉱山が紹介されています。

福島原発事故で協力を申し出たフランス・アレバ社はカナダに大きな鉱山
を所有しています。

さて、映画を観て驚くのは、
鉱山の規模の大きさ(ウラン「残土」の量の多さ)とその処理のずさんさです。

延々と連なるウラン残土の山々。
ウラン残土を安全に処理する技術は未確立で、
せいぜい濃度の高い土を深い部分に埋めるくらいで無造作に採掘跡に
残土を埋めて行くだけ。

地下水への影響、大雨による流出など考慮されていません。

そして、この採掘や、ウラン鉱石および精錬後のウラン残土の運搬には、
タイヤの直径が人の背丈の3倍以上もある超大型ダンプが大量に使われています。

ナント、1台が1日に消費する燃料が1,000リットル!!
(その量にビックリして記憶してます)

「原発は、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー」
というのは真っ赤なウソ、という小出裕章氏の言葉を思い出しました。

また、
雇用を餌に、しかもウランの危険性を知らせずに鉱山が開発される構図。
これは、国と電力会社が地元自治体及び住民へカネをバラ撒いて原発建設して
いった日本と同じです。


ところで、日本でもウラン採掘がされたことがあります。
人形峠(岡山県と島根県の県境)です。
質が悪くて採算がとれないために閉山となりましたが、閉山後に残土が民家近くに
放置されたままだったので最高裁まで争われました。

原告住民勝訴後も放置された残土があるばかりでなく、
高放射線量の残土をアメリカ・ユタ州の先住民族居留地域に「輸出」するという
恥さらしなことをしています。

国際的恥さらしと言えば、
アメリカと組んでモンゴルにウラン鉱山を開発し、かつ
放射性廃物最終処分場をモンゴルに建設する計画がありました。
毎日新聞のスクープによりモンゴル国民が大騒ぎして頓挫しましたが、
恥ずかしい話です。

地震国トルコへの原発輸出、
先日のダボス会議での菅直人元首相による「反原発宣言」と、
原発に関しては恥さらしなことが多いです。

なるべく「事実」を提示するだけの場としようと思っていましたが、
ついつい感情的になってしまい、失礼しました。
posted by ナッツ at 19:55| Comment(4) | TrackBack(0) | 原子力
この記事へのコメント
はじめまして、みほと申します。
いまサンデーモーニングでイエロー・ケーキの話題が出ていたので、ネットで検索しましたら、このブログにたどり着きました。
日本は、世界はとんでもない事をしているんですね。ウランを使うとは恐ろしいことですね。ウランは恐ろしいものかもしれませんが、それを使ってしまった人類がさらに恐ろしい物にしてしまったんですね。
この記事を読んで、真実を知ることができてよかったです。
世界に平和が訪れることを願ってやみません。
有難うございました。
Posted by みほ at 2012年03月04日 09:55
みほ様
コメントありがとうございます。
「イエローケーキ」からブログを開けていただいただけでも嬉しいのにコメントまでいただき、とても嬉しいです。
早速そのことを翌5日のブログに書いちゃいました。

また訪れてくれるだろうか?と思っていたらコメントが遅くなってしまい失礼しました。
(またブログに訪れて、これを読んでくれることを祈りつつ)
Posted by 夏堀務 at 2012年03月08日 20:39
夏堀さま、今日書き込みを拝見いたしました。
私のコメントにご丁寧にお答え下さってありがとうございます。
とても嬉しいです。
私は神奈川県の治療院に勤務しています。
患者さんの痛みがなくなって元気になって、家族も周りの人も笑顔になれたら嬉しいなぁと思いながら仕事をしています。
夏堀さんのリンゴを食べて幸せになる方がいっぱいいらっしゃるんですね、とっても素敵です!!
ブログにも書いてあったように、食べ物を大事に頂くことが地球に生きる者の本来の姿であると感じます。その事にあらためて気づきました。食事を頂くときは、形だけ手を合わせるのではなく、心から感謝して頂きたいと思います。
すてきなブログですね、ありがとうございました。
Posted by みほです at 2012年03月26日 14:55
みほさん
再度のコメント、どうもありがとうございます。
お客様のなかでも、治療院でお仕事している方が何人かいらっしゃいます。
技術はもちろんですが、みほさんのような「思い」をもって施術することって大切ですよね。そういう方に治療してもらえている患者さん達は幸せと思います。

また時々覗いてみてください。
Posted by 夏堀務 at 2012年03月31日 06:05
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