2012年07月14日

果実も葉も、病気と戦っている

何度かブログ内で書いているように、今年は黒星病が過去2年に比べて多いです。

黒星病は菌(胞子)が葉や果実表目に付着し(ただけで即罹患ではなく)、
かつ菌糸を根付かせた時に罹患する病気です。

葉が胞子に完全に負けてしまえば枯れてしまいます(6月14日の写真参照)。

果実も、果実が負けて根付かれた胞子数で、程度はまちまちです。
先ずはこの写真から。
その名の通り、「黒い星」が果実に数個着いています。
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こちらは、数は少ないが星が大きいです。
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さらに星が多くなると、そこに栄養が行かなくなります。
全面に沢山つくと大きくなれませんし、
一部にまとまっていると形がいびつになてきます
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12.07.14-4.jpg










余談ですが、罹患部分を取り除けば、他の部分は全く問題ありません。
むしろ、樹は他の部位を守るために栄養を沢山送り込みますから、
その分おいしいくらいです。

反面、胞子が根を下ろしても、表面だけで数も1〜2個だとこんなです
12.07.14-5.jpg










12.07.14-6.jpg











実は、ここからが本論です。
この果実は、1〜2個の胞子が表皮に根を下ろすことは許したものの、
そこで食い止めて果実内に入らせていない、数も1個のみです。
だから、拭けばこのように表皮だけにしか根を張れなかった病患部は取れます。
12.07.14-7.jpg










今年は、この程度のものは、商品とさせて戴くことになると思います。

以前、木村氏や斉藤氏と話していて、
こういう果実は、無農薬、低農薬栽培の象徴のようなものだ、
という話がでました。

無農薬、低農薬だから、薬をふんだんに散布して綺麗な果実ばかりではないけれど、
「果実が自らの力で胞子と戦って表皮だけで食い止めた」
まさしく、「元気」な果実なのです。

魚も、大切に育てられた養殖ものに比べて、天然物は、
色はくすんで(鯛なんかは、そんな綺麗なピンクじゃないです)、傷もあります。
魚つ食いの私らしい説明と思ってください(笑)。

そういう意味で、星は病気に勝った「勲章」です。

低農薬3年目。
今年はさらに濃度を薄くしました(回数は逆に増えていますが)。
特に重要な1、2回目の散布では濃度は昨年並みにして
きっちり胞子数を減らしたうえで、
その後の回数や濃度を減らすべきだったかとも思っています。
いずれにしろ、これも試行錯誤していくしかありません。

農薬を減らしてくると、樹の力が一旦落ちてくることもあります、
病原菌が元気になることもあります、
そういう意味で園地内の環境が変わって来ている時期でもあります。
こういう時期を経て、樹の力がついて行きます。

人間も、「風邪をひいたからといって薬をのむのはやめよう」とすると、
最初のうちは風邪をひいたときの症状が重くなったり快復が遅かったりします。
そこを我慢すると、風邪をひきにくくなったり、治りが早くなったりしてきます。
これと同じと考えています。

低農薬園地の変化を「星の数、状態」で感じながら、
りんごの樹や園地全体が逞しくなっていく過程をも楽しんでいただけたら、
と思います。
これこそ、「参加型」消費行動です。

生産者の勝手な思い込みですが、どうぞご理解ください。

【追記】

無農薬だから、低農薬だから、見た目の悪いものでも構わない、
とは思ってはおりません。

ただ、りんごの場合、
農薬に頼らないと、一般に市販されているものよりは病害虫の被害はでますし、
それを除いてしまっては生計が成り立ちません。

食味に変わりはない範囲で、
見た目は多少悪い、ちょと取り除かなければならない箇所もある、
年によっては、そんな果実も混じることもあると思います。

特にまだ初めて間もない当農園では、
私の技術も、圃場環境も発展途上の段階です。

その成長も一緒に楽しむスタンスで、
ご理解ご協力を、お願いいたします。
posted by ナッツ at 04:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 農作業周辺
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