角度を変えて2枚ご覧ください。


ハリトーシとは、正式名モモシンクイガのふ化幼虫のことで、
果実内部に侵入し、果心部に向かって不規則なトンネル状に食害します。
針で突いたように細い(小さい)孔が開くからハリトーシとも呼ぶのでしょう。
上の2枚の写真では、食入孔(幼虫の侵入口)に漏出した汁液が乾固してます。
凝固した汁液を取り除くと、

ちょっとボケてますが、侵入孔が判ります。
ここから果実を2つにカットしてみます。

ん〜ちょと判りにくいですね。
こちらの方が(2011年撮影)判り易いですね。

見事に芯部に向かって食べながら突き進んでます。
当然商品価値はゼロです。
当農園でも、これは流石に破棄です。
被害果は、このように水に一週間くらい漬けときます。

幼虫を溺死させて被害拡大を防ぐ為です。
今月はじめに散布したダーズバンDFは、
このハリトーシ防除の為の薬品です。
9月も後半まで暑いと、卵がもう一回ふ化して幼虫が果実内に
入り込む被害がでてしまいます。
しかも成熟して果実から脱出した成熟幼虫は地中で越冬します。
つまり来年の被害拡大に繋がりかねません。
しかし、薬剤散布はもうしたくない。
摘果(見直し、最終)や、その後の(着色作業としての)玉回し作業を通して、
被害果を早期発見して破棄する、
この手作業で頑張ります。
手間をかけるというのは、
単に害虫防除だけでなく、
果実に愛情を注ぐ行為だと考えています。
人間だって、
「手塩にかけて育てる」「手当て」という言葉があるように、
手をかけることが愛情をかけることに、
手をあてることで元気が増すことに、繋がります。
痛い処に手を当ててると痛みが和らぐ経験って、誰でもあると思います。
だからりんごも、手をかけた分、元気に美味しく育つと、
本気で信じて作業しています。
りんごの価格で言うと、
慣行栽培での農薬費用と僕の手間、
どちらにお金を支払いますか?
という問題になりますね。