2014年01月04日

すすの拭き取り

選果作業中(若しくは、荷造り作業中)の一つに、
すす斑病による「すす」(汚れ)を拭き取るという作業があります。

すす斑病被害果です。
14.01.04-1.jpg










14.01.04-3.jpg










病名の通り、すすがかかったようになっています。
8〜9月に雨が多いと発生し易く、
品種としては「ふじ」などの晩生種に発生し易いと言われています。
(実際そのようです)

実は濡れタオルで拭くと容易に取れます。
14.01.04-2.jpg










ちょとピンぼけですが、きれいになっているのは判っていただけると思います。

14.01.04-4.jpg










左側にある黒点は、枝の先がぶつかった傷付いた痕です。
傷口から腐らずに自ら治すことができたのですね。

拭けば取れるとはいえ、そのままで発送する訳にはいかないので、
選果時もしくは荷造り時に拭き取ります。

容易とはいえ、
天候を見ながらの畑の冬支度、選果、荷造り発送、
ジュースや干し林檎の加工(選別してものを持ち込んだり受け取りに行ったりするだけですが)と、
ただでさえ時間の無い時期に拭き取るのは、結構な手間です。

しかし、
この手間を省くために最も防除効果があるとされる8〜9月に薬剤散布することは、
これまでしたことがありません。

年間散布量(文字通り、年間で散布する薬剤の総量)を抑えたいのはもちろん、
最終散布時期を早めに設定したい、
と考えているからです。

特に当園では、晩生種ふじと早生種(つがる、ひろさきふじ等)が混植されているので、
直接散布しないとはいえ、早生種に収穫1ヶ月前という時期に薬剤がかかってしまいますから。

薬剤に頼らずに、極力薬剤散布量を減らすということは、
このような人間の手間が増えるということでもあります。

他の農家さんは、
市場や農協にそのまま出荷すると値段がガクンと下がるので、
選果時に手間をかけて拭くか、8〜9月に薬剤を散布するかしています。

手間をかければ済むなら未だ良い方で、
炭疽病(下の写真)被害果などは、全く商品になりません。
14.01.04-5.jpg













そのまま放置して置くと、
病原となる胞子が増えることになるので、
なるべく集めて焼却処分にしています。
商品にはまったくならず、手間だけかかります。
すす斑病はかわいいもんです笑。

無(低)農薬の陰には、
収穫量が減るだけでなく、このような手間が沢山あります。

稲作等と比較して、
りんご栽培は、慣行栽培においてすら、手作業が多いのが特徴です。

尊敬するお寿司屋さんの親方の言葉、
「私どもの仕事は手間を惜しんだらおしまいです」

そして木村秋則氏の言葉
「手と目が薬の代わり」
が思い出されます。

手間をかけるということに、
より効果的な手間(技)を追求することに、
よろこび、おもしろさ、誇りを感じています。
posted by ナッツ at 08:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 農作業周辺
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