2014年01月06日

ハリトーシ被害果

選果作業中の作業についての記事が続きました。
その流れで、2013年の大きな特徴として、

ハリトーシ(正式名モモシンクイ)被害果が爆発的に増えた

ことについて書きます。

この3年間は、たま〜に見かける程度でしたが、
今年は、8月の見直し(仕上げ)摘果、910月の玉回しの際に、
これでもかという程に見つけました。

見つけたら即取り除いていましたが、
ふじの場合、収穫時、収穫後の選果作業でもかなりの被害果が発見されました。

10月下旬の写真です。
14.01.06-1.jpg










アウトドア用使い捨ての大きめの丼にやっと収まる程に立派なのに!
14.01.06-2.jpg










別の実ですが、割ってみると幼虫の通り道がダメなだけ。
(ここは、食べてみると苦いです)
14.01.06-3.jpg










他の部分は、大丈夫というか、
果肉の一部と芯を食害された分だけ熟すのが早いので、
既にみつが入って美味!
(腐ると発酵が同じことであるように、傷むと熟すはほぼ同義語)

ただ、時々こんな風なのもあります(9月7日の写真です、品種はふじ)。
外観からして、モモシンクイ被害果とちょっと違います。
14.01.06-4.jpg










青いうちは判り易いですが、赤く色付いちゃうとこれも判り辛くなります。
割ってみると
14.01.06-5.jpg










これは、
スモモヒメシンクイの被害果です。
モモシンクイと違って、中で這いずり回っています。
ナシシンクイという虫もいて、これも這いずり回ります。
いずれにしろ、這いずり回られちゃうと全く使い物になりません。

話をモモシンクイ被害果に戻して、
こんな立派に育っているということは、
9月後半〜10月にかけて、食害されたんですね。

収穫時、畑で木箱に詰める作業中に手伝いの方が気付いたものは、
その場で別にしておいて、皆さんで分けて持ち帰ってもらいました。

選果時に私が見つけたものは、
やはり「モモシンクイ被害果」用の箱を用意して入れますが、
18キロくらい入る木箱が何箱も出来てしまいました。

こう多いと、
選果時、荷造り時には、
シンクイ被害果が無いか、かなり気を付けて観るようにしています。

なんで今年こんなに多いのか?
やはり低農薬4年目というのは関係ありますね。
しかも、最終散布時期が、
1年目が8月末、
2、3年目が7月末で4年目の今期が8月4日。

9月の気温が高いと、
モモ(スモモヒメ)シンクイガの卵がもう一回ふ化できちゃう。

毎年この時期に殺虫剤を全く散布しないでいた影響が、
今年大きく出たと考えられます。

おそらく、最低3年はこういう状況(もしくはもっと酷くなるかも)が続くでしょう。
或る虫が大量発生するとその天敵も併せて多くなり、
3年位で生態系が落ちつくと言われます。

そういうことを繰り返して、10年単位で(10年で、ではありません!)、
園地環境が整って行くものらしいです。

完全無施肥ゆえ収穫量も慣行栽培に比べて2分の1近くしかないのに、
加えてシンクイ被害がこんなに出るのでは、
収入面でもかなりの痛手です。

たまにあるスモモヒメシンクイは駄目ですが、
モモシンクイ被害果は食害部分を取り除けば問題ないので、
別箱に保管しておいて、
発送作業が一段落する年明けに、そこだけ取り除いてジュース加工に回そうか、
と考えていました。

そんな時、お客様のIさんから救いの申し出がありました。
次回ご紹介します。
posted by ナッツ at 08:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 農作業周辺
この記事へのコメント
シンクイにもいろんな種類と習性があるんですねえ!
被害果は、おっしゃる通り、直行する虫の跡が微かに分かる勿体無いくらい綺麗な実から、あつく皮むくくらいしかできない物までありました。外から見てわかるようになるのは、結構難しいですね…
それでもいいわよーという人向けには、渡しても、もんだいないように私は思いました☻
Posted by いしかわ at 2014年01月14日 17:07
はい、外から見て少しは判るようになってきましたが、発送となると難しいですね。

正直な話、元々1割近く増量になっている(5キロなら約500gりんご1〜2個)ので、1個くらい傷んだり虫食いがあっても許してね、という気持もあります。

うちの林檎は、一般の林檎よりも密度が高い(持った感じもズッシリしてますよね)から、型紙に合せて詰めると総重量が少し重くなります。
食べ終わるまでの間に傷むこともあるので、少し増量くらいで丁度良いかな、と思ってやってきました。

さらに、
農毒散布量を減らすということは虫と共生するということであり、自分(人間)だけが良い処取りは出来ないよね、ということを皆が理解するきっかけになってくれたらいいなぁと思ってもいます。僭越ながら。
Posted by 夏堀 at 2014年01月16日 19:16
よそで買うとハリトーシのも入ってましたよ^o^
カリンなんか普通だし
日本のリンゴは農作物というより工芸品です!
美しい作品…もっと土臭いことにwelcomeだといいですよね
Posted by いしかわ at 2014年01月19日 03:53
他ではハリトーシが入ってた!
選果でチェックはしていても漏れちゃったんでしょうかね。

そして「りんごは工芸品」、そうなんですよね。
良い意味でも、悪い意味でも。

手をかけてあげると見事にそれに応えてくれる、
りんごにはそういう面があります。
大きさ、型、色付きなど。

ただ、これを求め過ぎてしまうと、
「食べ物」
「露地栽培」
「薬を減らしたら病害虫の被害はあたり前」
といった本質・本来の姿を忘れてしまいますよね。

消費者も生産者も「持続する」ためには、
本来の姿のものをつくり、
真っ当な値段で売買する、
ことが必要だと思います。

「良いもの」は続かなければ。
消費者にとっても生産者にとっても。
Posted by 夏堀 at 2014年01月20日 12:43
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/84651984
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック