17日は草刈りDAYとしました。
この時期に草刈りをするのは4年間で初めてです(これまでは9月以降のみ)。
目的の一つは、ヨモギ刈り。
もう高いものだと人の肩くらいまで育っている、
もう少しすると木のように硬くなる、
そして何よりも、
塩崎弘前大学名誉教授がその著書の中で、
ヨモギは林檎の根の生育を阻害する働きがある
と書いていたからです。
園地内には処どころにこんなヨモギの大群が。

乗用タイプの草刈機で刈ると、

あ〜、さっぱり!
もう一つの目的は、
遅くなりましたが、樹の周りに大豆やクローバーの種を播くため。
当農園は、堆肥も含め完全無施肥。
そこで、地中窒素を増やすために、
根に根粒菌(空中窒素を固定してくれる)を共生させる豆科植物として、
大豆(映画「奇跡のりんご」でも木村さんが播いてましたね)とクローバーの種を播きます。
判ってはいたけれど、昨年までは手が回らず。
自生していたクローバーが年々増えていたから良しとしていました。
今年は、関東でも7月半ばまで播いて大丈夫という超晩生種の大豆を、
収穫目的ではなく緑肥としてだから遅くなったけど良いかと、
播くことにしました。
そういうわけでの、樹の周りだけ草を刈りました。

養分を吸収するのは根の先の方にある細い毛根です。
そして、枝が張ってる範囲だけ地中でも根が伸びているものなので、
枝の下辺りの草だけを刈っています。
これを観たら、隣りの0さんに
「夏堀〜、おまえまたハイカラなこと始めたな」
と言われそうだなぁと思いながら刈りました笑。
Oさんは、私が変わったことをしてると、
「ハイカラなことをしてる」
とふざけて言うんです。
同じく樹の周りを刈ったあとです。

残った所に生えているのは、
ナガハグサの一種(沢山種類があるようです)です。
イネ科植物で背丈が高くなり脚立に絡まるので、
昨年までは嫌がっていたのですが、
やはり塩崎教授が著書の中で、
紋羽病(根に着く菌体で、若木のうちは良いが10年くらいになると樹が枯れる)の
予防改善に効果がある、
と書かれているので、大切にすることにしました。
当農園の紋羽病のあるエリアです。

原っぱの上、左側に大きな林檎の樹が見えますね(中央はそのもっと奥にある雑木林です)。
此処が、この傾斜面のてっぺんで、かつうちの畑のてっぺんです。
3本あって、左側にある大木が
先日ご紹介した樹です。
紋羽病のために樹が無くて原っぱになってますが、
そこにナガハグサが沢山生えています(クローバーも)。
アップで観てみましょう。

暫くはこのように放っておこうと思ってます。
手が回れば、枝豆や大豆を植えたいんですけどね。
さて、園地内にはいろんな草が生えています。
そのほんの一部をご紹介しましょう。
ギシギシ(タデ科属)です。

肥料っ食いで成長が早く、
種を落として繁殖力も強いので、
農家さんには嫌われるものの一つです。
Oさんによると、
林檎栽培が出来なくなって樹を切り倒した園地では、
このギシギシが数年はびこって肥料分が無くなると
ギシギシも減るとか。
確かに、写真のように、樹の近く、それこそ枝を張った少し先に
生えていることが多いんです。
前の持ち主が播いた肥料分がまだ残っているからかも。
私としては、余分な残留肥料を吸い上げてくれる大切な草かも、
とこれまた見方を変えた草の一つです。
それに、根が縦にのびて、土を柔らかくしてくれるんですよ。
次はオオバコ。
珍しい、ヘラオオバコもあります。

うっかり機械で刈ってしまうところでした(浅く刈ってるからまた出てきますが)。
葉がヘラのように細長いからヘラオオバコと言うそうです。
6月にいらしたEさんHさんに教えてもらいました(お二人とも詳しいんです、特にEさんは)。
普通のオオバコはこうですね。

さてさて、今年無農薬園地は大変なことになっています。
昨年に続いての、ネズミ食害、雪害で、
まともに残ってくれてるのは10本あまりのみ。
そして、ヨモギがグングン増え、そして逞しく?育っちゃってます。
このヨモギを完全に刈ってやりました!
草刈樹でヨモギの林の中を突き進みながら撮りました。

全部刈り取って、あ〜さっぱり。
でも、りんごの樹はチラホラという寒々しい光景。

残った10本には病害虫が着かず、
酢の散布も延ばし延ばしで今年は何と、酢を1回も散布してません。
でも葉っぱはキレイです。
10本中2本残った貴重な紅玉です。

樹が少ないから病害虫も発生しにくかったのか?
嬉しい結果ですが原因はわかりません。
今年はこれからここを、種を播きまくってクローバー畑にします。
元々クローバーも有りますが、もっともっとクローバーを殖やします。
苗木を植えるのも結構な労力と時間がかかるので、
今苗木畑で育てている苗木を移植(定植)するのは、
土を整えながら来春とさらに翌春にする予定です。
今日頑張ってくれた草刈り機です。
先ず乗用タイプ。

苗木(1年〜5年くらい)は、根元近くに種を播くので、
根元近くを刈り払い機で刈ります。

草を刈っていると、バッタ・コオロギ類が驚いてピョンピョン跳ねて逃げます。
生涯初めての大事ですからね。
虫の聴覚ってどうなってるのか知りませんが、
音(空気の震動)を感じる力は人間の比じゃなくありそうですよね。